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by akuchixxx
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クライマーズ・ハイ

なつかしい小説でした。

文庫では、松尾たいこさんの装画の、いちばんきれいなところが、
帯に隠れています。
山の稜線。
見えるのは空と飛行機。

読みはじめるととまらなくなり
もう少しで、駅を乗り過ごすところでした。

これは、「日航機墜落事故」をモチーフにした物語です。

著者はジャーナリストだったというだけあって、
すばらしい臨場感。

読んでいる間、
現実と小説の世界がごっちゃになって、
何度か、
新聞を見ると、今、事故の記事が出ているような錯覚に陥りました。


日航機墜落事故が起こった年のことは
よく覚えています。

あの年、中学校の生徒会役員だった私は、
全校生徒に
「今年印象に残った10大ニュース」というアンケートをとり、
集計がけっこう大変でした。
(あの当時は第二次ベビーブームとかで、
今では考えられないくらい生徒数が多かったのです)

日航機の事故と、阪神優勝と、
夏目雅子さんの死が、トップ3だったと思います。

甲子園では、PL学園が全盛期で、
桑田選手と清原選手が高校野球界のスターで、

男の子たちは、夕焼けニャンニャンに夢中で、

レベッカが「フレンズ」を歌っていて、

バンドを組んだ先輩たちは皆ボウイのコピーをして、

紡木たくの「ホットロード」みたいな
危うい目の女の子がいっぱいいました。


小説とはまったく関係ないのですが、
読みながら、しばし、あの頃の空気を思い出しました。

書いてあることは、まさに
ある男の、ある人生そのものなのですが、

なつかしい小説でした。
by akuchixxx | 2006-06-15 00:06 | 本(横山秀夫)